天才スキーヤー、キリー選手の名言から英語を学ぶ:「危険」に関する表現

athlete

You have to risk loss.  (訳:失うリスクを負わねばならない)/ ジャン・クロード・キリー、ぎりぎりの選択

To win, you have to risk loss.

– Jean Claude Killy –

勝つためには、失うリスクを負わねばならない

ジャン・クロード・キリー

ジャン・クロード・キリーとは

ジャン=クロード・キリー(Jean-Claude Killy, 1943年8月30日 – )は、フランス出身で1960年代後半に活躍した元アルペンスキー選手。

1968年グルノーブルオリンピックにおいて出場した3種目すべてで優勝し、アルペンスキー世界選手権では6個の金メダルを獲得、さらにアルペンスキー・ワールドカップでは1967年・1968年の2シーズン連続で総合優勝を果たすなど圧倒的な強さを誇り、“王者キリー”(King Killy) の異名を取った。

引退後はカーレーサーやCM・映画出演、実業家などの活動を経て、国際スキー連盟や国際オリンピック委員会などで要職を務めた。

引用元:ウィキペディア(Wikipedia)ジャン・クロード・キリー

動詞の risk は 「~の危険を冒す」「思い切って~をする」

冒頭のキリーの言葉の risk loss は 「失うことへの危険を冒す」と訳せます。そのリスク(こちらのリスクは名詞です)を選ぶかどうかを本人が判断していて、本人の積極的な意思が感じられます。

動詞の risk を使用した例
・I don’t want to risk losing it. 「私はそれを失うような危険を冒したくない。」

例文の発音

don’t は「ドーント」ではなく「dオゥンt」
[d ] と [ t ] の後に、母音の o を入れないでください。[ do ]「ド」や [ to ]「ト」にならないように上記のように表記しています。(この書き方は今までの記事でも使っていますが、私の勝手な書き方です。)

[ o ] は「オー」ではなく「オゥ」です。

こちらは前記事を参考にしてください。

間違いやすい o の発音

また、don’t のような語尾の t はしばしば音が消え「dオゥン」。
want a の t も消え、さらに n と a がつながって「ワナ」。
don’t want a で「dオゥンワナ] です。

語尾の t のように消える音、つながる音については、次を参考にしてください。

破裂音の省略

リエゾン(音がつながる)

「危険」を意味する様々な表現

risk には動詞の他にも名詞で「危険」という意味があります。こちらの方が馴染み深いかもしれませんね。「危険」を意味する名詞には、risk のほかにも色々な表現があります。次にそれらのニュアンスの違いを解説します。

danger:一般的に使われる「危険」

danger は「危険」を表わす、最も一般的に使われている表現です。大きな危険や小さな危険、避けられる危険や避けられない危険など、多くの種類の危険に対して使われます。

danger の 発音

danger の a は [ ei ] 、「エィ」です。エを強く長めに言い、イを弱く添えます。「dエィンジャー」です。「デンジャー」とならないように注意してください。

risk:ある行為に伴う「危険」

risk は 何かの行為を行うことで危険や害が及ぶ可能性がある場合に使います。みずから覚悟して冒す危険を表しますので、行動を起こさないで危険を避けるという選択肢もあります。

risk の発音

risk の r 、 [ r ]は、唇を少し閉じた「ウ」の形にして、舌をどこにもつけずに根本からグイッと引いて声を出します。そして素早く次の母音(ここでは [ i ] )の発音につなげます。「ウィスク」のように聞こえます。舌先が上歯の裏側に触れるとlの発音になってしまうので注意しましょう。

lの発音は以前の記事を参考にしてください。

l の発音

hazard:偶発的で避けられない「危険」

hazard は偶発的なことがらから生じる「危険」を意味します。特に、予測可能ではあるものの、避けられない「危険」を表しています。自然の力によって、あるいは生活環境の中で、さらには業務上で偶然に起こる危険に対して使われます。

hazard の h、 [h] は口を軽く開き、舌が口の中の天井につかないように、のどの奥から(次に母音 [a] が続く場合は)「ハッ」と息(声ではなく「息」です)を出します。寒くてかじかんだ手を温めるときのイメージです。

crisis:重大な局面などにおける大きな「危険」「危機」

危機、決定的段階、重大局面、(運命の)分かれ目、(病の)峠、危期などの意味で使われます。

crisis の 最初の i の発音は [ ai ] です。日本語の「ア」より口を大きく開けて、「ア」を強く、長めに、次にイを弱く添えて「アィ」といいます。

最近は、コロナウイルスの報道などでよく耳にしますね。

corona crisis 「コロナ危機

financial crisis 「財政危機

coronavirus economic crisis  コロナウイルス経済危機」などです。

postscript

アルペンスキー競技は、スタートからゴールまでの間に立っているポール(旗門)を通過し、いかに早く滑りきるかという競技です。コースの最短距離を通るにはポールの近くを通る必要がありますが、それは転倒やコースアウトなど高いリスクを背負うことにもなります。
「King Killy」 と呼ばれ、圧倒的な強さを誇った元アルペンスキー選手のジャン・クロード・キリーのような選手でも、ギリギリのリスクを冒してやっと勝てるということでしょう。
勝負の瞬間にどの程度のリスクを負えるかどうかは、キャリア、経験に裏打ちされた状況判断が必要なんでしょうね。
英語の勉強にリスクは?・・楽しみしかありませんよね。(よっぽど変なことをしない限り ^_^; )

Let’s enjoy studying English!

 

日本英会話普及協会(JEEPA) https://jeepa.jp/ で木曜日のブログを担当しています。よろしかったらこちらにも遊びにきてください。

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