新型コロナと戦うニュージーランド、ジャシンダ・アーダーン首相から学ぶ力強い英語

society

our team of 5 million (訳:500万人のチーム)

For six weeks now, our lives have been quite different. We have gone from a lockdown, into Level 3 and the reopening of parts of our economy, as our team of 5 million has stuck to our strategy of going hard and going early to win the battle against COVID-19.

- Prime Minister Jacinda Ardern -

この6週間、私たちの生活はかなり違ったものになっています。私たちはロックダウン(封鎖)からレベル3に移行し、経済の一部を再開しました。これというのも、COVID-19との戦いに勝つため、500万人のチームハードに、早く進めるという戦略を貫いたためです。

ニュージーランド首相 ジャシンダ・アーダーン

ジャシンダ・アーダーンとは

2008年に国際社会主義青年同盟(IUSY)委員長に就任。

2008年の総選挙に立候補し、ワイカト選挙区で敗北するも比例復活し初当選。2011年、2014年の総選挙でも比例名簿入りし3期連続当選を果たす。2017年2月、デビッド・シアラーの政界引退に伴い行われたマウント・アルバート選挙区の補欠選挙に立候補し当選を果たす(4期目)。同年3月、労働党副党首を務めるアネット・キングが次期総選挙へ立候補せず政界引退を表明。これに伴い、アーダーンは労働党副党首に就任。同年8月、支持率低迷を理由にアンドリュー・リトル労働党党首が辞任し、第16代労働党党首に就任した[2]。

アーダーン党首就任以降、労働党の支持率は急回復し、同年9月23日の総選挙で労働党は14議席を増やし46議席を獲得。しかし政権与党の国民党(56議席)には及ばず第2党に留まった。連立政権樹立へ向けた話し合いが行われ、同年10月19日、ニュージーランド・ファースト党のウインストン・ピータースは労働党との連立政権樹立に合意したことを発表。閣僚経験がなく、ニュージーランドの政治史150年の中で最年少の37歳3か月で首相に就任した[3]。

2019年9月19日、ラグビーワールドカップ2019開催時期に合わせて訪日。安倍晋三首相らと会談を行った[4]。

引用元:ウィキペディア(Wikipedia)ジャシンダ・アーダーン

今回は、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が5月7日に、COVID-19についてのロックダウンを解除したときの言葉を紹介します。
ジャシンダ・アーダーン首相は、3月にいち早くロックダウンを発表した時から、国民に繰り返し、自分たちのことを「500万人のチーム(our team of 5 million)」と呼んで、「COVID-19に対して団結」するよう訴えています。日本でもラグビーワールドカップで「ワンチーム」という言葉が流行りましたが、さすがにラグビーの本場の首相の言葉です。

Marco Iacobucci Epp / Shutterstock.com

ジャシンダ・アーダーン首相は、また、500万人のチーム(our team of 5 million)が、「ハードに、早く進めるという戦略(strategy of going hard and going early)」を貫いたとも言っています。この言葉もラグビーを彷彿させますね。
彼女はロックダウン当初から、We go hard, and we go early.「私たちはハードに早く進みます(結果を出します)」とも言っています。以下、go の意味を詳しく紹介します。

go は「行く」だけではない!

go は、「行く」という意味でおなじみの単語です。でも、それ以外にも「進む、向かう、ふるまう、運ぶ、達する、~という結果になる」など色々な意味があります。ひとつひとつ覚えるのは大変ですので、go の持つコアミーニングが「今いる領域から出て(話題の中から離れて)他の領域(場所)へ行く」であることを理解しましょう。このコアミーニングから上記のような色々な意味が派生するのです。

このコアミーニングが分かれば、we go hard, and we go early go は、単に「行く」というだけではなく、「今置かれている自分達の状況(領域)から出て、違う状況(領域)に向かって進んで行く」イメージを浮かべることができますね。

また、We have gone from a lockdown, into Level 3 「私たちはロックダウン(封鎖)からレベル3に移行した」も「これまでのロックダウンという状態(領域)から脱却し、レベル3という違う状態(領域)に進んだ」というニュアンスが伝わってきます。

「行く」は go じゃなくてcome?

come は「来る」という意味でおなじみですね。でも場合によっては「行く」と訳される場合があります。go は「今いる領域から出て(話題の中から離れて)他の領域(場所)へ行く」という意味でした。つまり、goは、ある領域から遠ざかる運動です。一方comeはその逆。領域に近づく運動です。

例えば Tom が Mary に、自分のいる所に早く来るように誘っている(せかしている?)場合を考えます。
(Tom)Come here! 「ここへ来てね!」に対して、(Mary) OK, I’m coming. 「うん, すぐ行くわ」と答えます(行きたければ)。このときに going ではなく coming を使います。

この会話で話題になっている領域とはTomのいる場所。Maryはそこに近づく運動をするのでcomeを使うのです。

同様に、例えばパーティに招かれた人が招待者に向かって「パーティーには喜んで伺わせていただきます。」と言いたいときは、I’ll be glad to come to your party. です。話の中心(領域)がパーティ会場だからです。

postscript

今回の新型コロナウィルス問題では、各国のリーダーたちと比べ、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相の発信力の強さが際立っているように思います。

日本では新型コロナウィルス問題で、最近、政治家同士や住民同士がギスギスしている感じのニュースが頻繁に流れています。でも私たちが戦う相手は人間じゃないですよね。コロナウィルスです。ワンチームになろう!そしてコロナが収束した後はもっと成熟した社会になっていてほしい!と、心から願って Stay Home しています。

日本英会話普及協会(JEEPA) https://jeepa.jp/ で木曜日のブログを担当しています。よろしかったらこちらにも遊びにきてください。

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